◆ インフルエンザワクチン接種はなぜ2回必要なのか? ◆
     
まずは、グラフをごらん下さい。

仮に10月1日にワクチンを接種したとします。
これによりゼロであった免疫量(又は免疫力)が3の高さまで上昇します。

これは1ヶ月前後で漸滅し、消失しますが(青線)、1の高さまで滅少した日に(仮に10月20日とします)、2度目のワクチンを接種します。

これによって1の高さから再び3の免疫がつくので、合計4まで免疫が上昇すると考えるのが妥当ですが(ピンク線)、実際はその様にはならず、はるかに高い10くらいの免疫力がつくことが知られています(黄線)。
ワクチン接種と免疫力のグラフ
この現象をブースト効果と呼び(免疫増幅効果)哺乳類の免疫機構にみられる特徴です。
インフルエンザワクチンに限らず、免疫獲得のためワクチンを2度接種する理由はここにあります。
1回だけの接種なら10月末にはせっかくの免疫もなくなりますが、ブースト効果で高い免疫をつけておけば、あとは自然落下にまかせたとしても数ヶ月高い免疫効果が持続するのです。
せっかく哺乳類が気の遠くなる程長い年月をかけて獲得したメカニズムを病気予防のため利用しない手はありません。

さまざまの実験や観察から2度目のワクチンは4週間前後の間をおいて実施するとブースト効果は最大となることが知られており、又高い免疫効果が数ヶ月続くことが知られています。従って11月1日ごろ2回目の接種を行うと4月いっぱいまで高いインフルエンザ免疫を持ちつづけることができるのです。
   
数年前あるインフルエンザのワクチン製造メーカーが免疫効果の出ないワクチンを製造してしまい日本全国にワクチンが不足したことがありました。
この時政府は、ワクチンは大人は1回接種でよいと言い出したのです。
少ないワクチンをみんなで分かち合おうという考えは政治的配慮としては正しいといえますが、免疫学的には誤った判断といえます。

更に大人は1回接種でよいが子供は2回という判断も矛盾したものといわざるを得ません。
ブースト効果に大人・子供の区別はありません。ワクチンの2回接種はこうした自然科学の摂理によって発生した方法であるのに政治的配慮でゆがめられてしまうのは大変残念なことです。
更に驚くべきことに、自然科学者であるべき医師たちの中にそうした政治的思惑に盲追する輩がいるのも大変残念なことです。